40.それぞれの未来

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 耳元に唇を寄せた(そう)に甘く切なくおねだりされて、許可なんてまだしていないのにゆるゆると腰を動かされた結葉(ゆいは)は、想にしがみついて涙目でコクコクと首肯(しゅこう)した。  自分自身も身体の内側に熱が灯ってしまって、どうにかなってしまいそうで。  何も考えられなくなるぐらい、想にグチャグチャにかき回して欲しいと、はしたないことを思ってしまった。  もちろん、偉央(いお)にだって、一晩に何度も求められたことはある。  でも。  自分から、もっともっと可愛がって欲しいと思えたのは初めてだったから。  結葉は泣きそうなくらい幸せだった。  (いた)わるように、でも時に制御がきかないみたいに激しく(むさぼ)り尽くす(てい)で愛されることが、こんなにも心地よいだなんて、知らなかった。 「想ちゃ、大、好き……」  想に身体ごと揺さぶられながら半ば無意識。  結葉はうっとりとつぶやいた。 ***  二度目の行為のあと、想が結葉の中から身を引いて……「風呂、行こっか?」と声を掛けてくれたけれど、結葉は今にも眠ってしまいそうなくらい疲れ果てていた。
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