41. Epilogue

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「ねぇ(そう)ちゃん、本当にいいの? 嫌じゃない?」 「あ? 何言ってんだよ。嫌なわけねぇだろ。逆にアパートよりすっげぇ広くなるし、利便性も上がる。ぶっちゃけめちゃ助かるんだけど」  幸せ一杯でみんなから祝福された海外挙式と、目一杯新婚気分を満喫できた新婚旅行から帰国してすぐ。  想は長年住んでいたアパートを引き払って結葉(ゆいは)と二人、今日は慌ただしく〝新居〟への引っ越しを進めている真っ最中。  さすがに帰国直後で疲れているこのタイミングでの引っ越しには戸惑いを覚えた結葉だったけれど。  折悪しく旅行から帰った頃が月末だったのと、アパートの二年に一度の更新のタイミングが重なったのとで、出るなら今月中だろ?と旅行前から想が言っていて。 『自分らで全部やんのはしんどいけどな。業者に頼めばあっちゅー間だから心配ねぇーよ』  先の結婚報告の際に、婚姻届の証人欄を埋めながら結葉の父・茂雄(しげお)が想に言ったらしい。  『もし想くんさえ嫌じゃなかったら、結葉とうちに住んでくれないか?』と。  前夫の偉央(いお)には断られた案件だから、茂雄(しげお)はダメ元で打診してきたみたいだけれど、言われた想は逆に『いいんですか?』と大喜びだった。  そもそも今現在空き家になっている結葉の生家は、想の家――山波家(やまなみけ)のすぐ隣だ。
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