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そんなとき、あの大きな装置を必要とせず、異世界転生出来る装置がある、という話を偶然耳にした。
ただの噂話だろうと思っていたが、どうやら、かつてそのような装置が存在していたことがあり、今でも販売しているショップがあるらしいというのだ。
どうせ嘘だろうとは思いながらも、私はいてもたってもいられなくなり、その情報を調べて、とうとうこのショップにたどり着いたのだった。
普通の人間には入れないようなショップなのでは、そもそも存在しないのでは、など、道すがら色々考えたが、辿り着いてみると何てことのない、外観はいわゆるICチップのメンテナンスショップにしか見えない。
昔は金持ちしか出来なかったが、最近は誰でも家でICチップのメンテナンスが出来るようになったので、ほとんどショップに人が行くことがなくなり、街の中心部からはメンテナンスショップは無くなりつつある。
それでも、古いモデルのICチップを埋め込んでいて、メンテナンス装置が買えないような人々は、今でもショップに来てメンテナンスをするしかない。
なので、必然的に中心部からは離れた場所にだけ、メンテナンスショップは残っている。
半信半疑ではあったが、とりあえずショップに入ることにした。
通常の施設同様、入り口でICチップを照合され、私の情報が送られる。
私の情報が確認されると、検温ゲートと殺菌ゲートの下で検査を待つ。
その間、ショップの中を覗く。
ここから見る限り、ショップの中には他に人間はいないようだ。
やがて入室許可が降りたので、私はゲート開き、ショップの中に入った。
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