三 会議

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 沢田警備部長が会議室に現れた。 「沢田さん、会話記録を披露してあげてね」とケイ。 「わかりました!」  沢田警備部長はメモリーカードを端末にセットして、会議室の大ディスプレイに統括営業部長の電話の会話映像を再生した。 「・・・次期冬物の企画を送る。デフォルメして使え。同じにしたらバレる・・・」  会話映像はこの一社だけではなかった。 「通話先は東京トレンドです。この他にも三社に連絡しています」  沢田警備部長はそう言って映像を早送りした。  他社と電話で交渉する統括営業部長が現れている 「通報を聞いて駆けつけました!」  ディスプレイの映像を見ていると、内藤警部補が二人の警官を連れて現れた。 「内藤警部補。コイツがスパイしてた。デザイン企画を盗んでた」  タエが統括営業部長を睨みつけた。 「やはり、前社長の他に、手先がいましたね。  皆さん、ご苦労様でした。皆さんに協力していただき、感謝しますよ。  デザイン企画を買っていた先にも、捜査が入ってます。  全員逮捕ですね」  内藤警部補と沢田警備部長は、警官たちとともに統括営業部長を引っ立てていった。 「さて、これで、また一人欠員ができた。  人事部長。統括営業部長の人事も頼む」  ケイはそう人事部長に指示した。 「わかりました」   二月の会社乗っ取り事件後、社長が木村タエと大沢ケイに代った。専務と常務、名ばかりの重役は解任されて、経営に口出しするのは株主だけだ。  そして、社長に次ぐ役職は部長だけになった。
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