三 会議

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「他に話したい事があるか?」  タエは部長たちを見た。皆、何も無い、と言っている。 「業務を、遅れが無いように進めてくれ。  デザイン企画について箝口令を継続し、社外からのサーバーアクセスは禁止だ。  勤務中の外出禁止を続行してくれ」とタエ。  タエに続いてケイが言う。 「次回の会議までに人事に関して人選しておいてくれ。  次回は人事の決定と、Madam Marimura、Marie Marimura、Office Marimuraの処分だ。   各自の有意義な考えを聞かせて欲しい。  質問はあるか?」  Madam MarimuraはMarimura専属の小売り専門会社、  Marie Marimuraはデザイン企画販売を専門とする会社、  Office MarimuraはMarimura系列の会社の事務などITを統括する会社だ。 Marimuraの前社長、鞠村まりえの個人企業がMadam Marimuraで、そのデザイン企画室がMarie Marimuraだった。 「Madam MarimuraとMarie Marimuraは鞠村まりえの名義から、Marimuraの名義になって、Marimuraの販売店になっています。これをどうするのですか?」  総務部長が不思議そうにケイを見た。 「Madam MarimuraとMarie Marimuraを小売店にした理由は二つある。  一つは、店内改装に経費がかからないからだ。  二つ目は、この辺りに集る購買層のリサーチに役立ってる。  しかし、ここMarimuraの一階に小売り部がある。  近所に二店舗も必要かを考えて欲しい。  まあ、経費節約だ。経費節約はOffice Marimuraにも言える。  次回の会議は来週の今日、六月十三日、月曜、十時だ。  では、これで会議を終る」  ケイの説明に部長たちは納得して席を立った。 「ケイ、三洋テキスタイルを調査する気だべ?」  部長たちが会議室を出るとタエがケイにそう尋ねた。 「ああ、注文在庫の調査だよ。他社を知るのも悪くねえベ?」  ケイはタエを見て笑っている。この笑顔の裏にあるのは、やはり彼を探る気だ・・・。
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