第二章 12歳も上にほだされてたまるか

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「そういえば、三ツ沢グループって知ってる?」 先ほどまで名前を隠していたのに、気が抜けたのか横山君なら知っているだろうとつい聞いてしまった。 だけれどそれだけでピンときてしまったのか、彼は目を丸くして苦笑いしている。 ばつが悪く彼を見れば、大丈夫、と返されて、完全にばれたことを認識した。 「もちろん。この辺では有名な企業だから。 元々は先代が立ち上げた同族経営の会社で、今じゃ不動産や人材育成とか手広くやってるみたいだね」 「へぇ、詳しいね」 「学校から近い路線の数駅先のとこ、大規模開発してるでしょ? あそこも三ツ沢グループの一番大きな子会社、三ツ沢建物って企業が主導でやってるよ」 「そうなんだ、知らなかった」 そう言えばマンションやら商業施設やら作るってのは聞いていた。 そういえばあの公園の見晴台からはあの場所が一望出来る。 もしかして様子を見に行っていたりしていたのだろうか。 うわ、その可能性はあり得る。
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