第二章 12歳も上にほだされてたまるか

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大きな窓に面した席につれてこらてたのに向かいの椅子は空。 呼んでおいて待たせるのか。腹立つな。 首を長くして待ってたんじゃ無いの?もしかしてその首が飛んだのかしら。 仕方なくスマホを弄っていると人の気配。 スタッフが椅子を引き、慣れた様子で席に座ったのはあのお坊ちゃまだった。 整えられたヘアスタイル、質の良さそうなスーツ、相変わらず憎たらしいほど整った顔。 周囲の客が男女関係無く光生さんを見ている。女性達の騒ぐ声もしっかり聞こえるほど。 ですがこの人、女子高生脅迫して交際相手と言う人ですよ、と騒いでいる女性陣に教えて差し上げたい。 「よくも着信拒否したな」 「よくも勝手にこんなをことしましたね」 バチッとお互いの視線が交わり火花が散る。 光生さんはすぐに来たスタッフにワインを注文しているようだった。 「紫央里、飲み物は」 「水で良いです」 「彼女にオレンジジュースを」 「かしこまりました」 スタッフが頭を下げた後、ムッとしながら睨む。
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