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「衣替え」×「秋祭り」
10月になった。
「あきちゃん、今日から10月よ、早く秋物の服を出しなさい」
「はーい」
「あーあ、衣替えをするのは邪魔くさいな」
引き出しの中には昨年に着た秋祭りの着物が有る。
すると丸い袋を見つけた。
野球ボールくらいの大きさだ。
中には丸い物が入っていた
。
花火と書いてある。
花火なら導火線が有るはずだが無い。
メモ用紙が有り何か書いてある。
(投げたら爆発するから裏山に投げろ)
怖い!
「何で、花火が私のタンスの中に有るの?」
母に聞いてみたけど、わからないと言われた。
裏山に登り、誰も居ない場所で思いきって投げてみた。
花火は地面に落ちて転がる。
爆発しないで斜面を転がり出した。
うわぁ
斜面の下には交番が有る。
ヤバイ
私は追いかけるが、追い付けない。
花火は交番に向かっていく。
爆発する!
私は、その場に伏せた。
花火は交番に当たり爆発した。
パアン
音がしたのだが、爆竹くらいの爆発音だ。
見れば交番は何とも無かった。
良かった
花火が爆発した辺りがキラキラ光っている。
「何だろう?」
側に寄り、よくみた。
「ダイヤだ」
わりと大粒のダイヤモンドが散らばっている。
みんな欠けていた。
「まさか大きなダイヤモンドが爆発して破片になったのか」
そういえば亡くなった祖母が大きなダイヤモンドを持っていた。
祖母は、このダイヤモンドは、あなたにあげると言っていた。
私はダイヤモンドの破片を、集め出した。
「誰だあ、うるさいな、イタズラか?」
交番で仮眠していたのか、若い警官が出てきた。
「す、すみません、花火が転がり交番に当たりました」
「花火なの、気をつけてね」
結局、怒られなかった。
いつも交番の前に立っているイケメンの若い警官だ。
それから毎日挨拶を交わすようになり、ついにデートに誘われた。
これは祖母のイタズラだったかもしれないが、私に
はイケメンの彼が出来た。
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