ママコンコン

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ママコンコン

その()(あさ)から(あめ)がしとしと()っていた。 (あめ)()、ひかちゃんはよくコンコンになった。 そんなときは、ママがかならずあのお(うた)(うた)っていたね。 ずうっと ひかちゃんを()っこして。 ずうっと おせなをさすりながら。 でも今日(きょう)はめずらしく、ひかちゃんのコンコンが()なかった。      よかったねえと(おも)っていたのに、コンコンになったのはママ。 お見舞(みま)いにおばあちゃんが()てくれている。 ひかちゃんは、ママのコンコンが(うつ)ってはいけないからと、ママのお部屋(へや)には(はい)れなかったけど、すこしだけドアを()けてのぞいたんだ。 ママはとても(くる)しそうだった。ベッドのお布団(ふとん)が『コンコン』というたびにパフパフ(うご)いた。 お(くすり)()ってきたおばあちゃんが 「(はい)ってはだめよ」 って()ったから、ひかちゃんは自分(じぶん)のお部屋(へや)()ったんだね。
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