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「ごめんな、土生さん。俺らがふざけてたから」 「……ううん、いいよ」 「ほんまは俺が書かなあかんのに」 「いいよって……」 会議記録を私が書くことになった途端、三津谷くんの友達は「ごめん」を繰り返しながら早々と部活に向かって行ったから、結局私と三津谷くんだけが会議室に取り残されてしまった。 律儀に私の隣の席からこちらを覗き込む三津谷くんの視線に、手が震えそうになる。 字を書く私に気を遣ってか、三津谷くんが無言になったことに余計緊張して、たまらず 「…すぐ書けるし、先部活行っていいよ」 と伝えたけれど 「ううん、待っとく。先生んとこに持っていくぐらいできるし」 と片ひじをつきながらすごく、優しい感じで返されてしまった。 “あーっもう…、かっこいいよーっ……” しかも、何か普通に会話してるし……。 “こんな、まるで“友達”みたいに、三津谷くんとここにいていいんやっけ…?” 今日初めてちゃんと会話したはずなのに、三津谷くんの明るい自然体が、今の状況に違和感を感じさせない。 数項目の短い記録にいつもの倍以上書く時間を費やしながら私は、“もしかしたら本当に三津谷くんと友達になれるかもしれない”と感じていた。
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