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「ばかあほまぬけ、う○こたれ、おちっこた…「貫太(かんた)、…姉ちゃん疲れてんねん。今日はほんま勘弁して」
「ばかあほまぬけ!う○こたれ、おちっこたれ、はなくしょたれ!」
「もーっ…」
三津谷くんとの委員会後、高揚した気持ちが治まらず散々な内容だった部活に加え、帰宅後気が抜けたように放心した私を待っていたのは、手のかかりすぎる弟の大癇癪(かんしゃく)だった。
「抱っこしたげるし、な?
お風呂入ろ?」
「うっちゃい、ばばあ!あっちいけ!」
「おんぶでもいいで?」
「くちょばばあ!」
なだめればなだめるほど、貫太の勢いは増していく。朝早くから延長保育ギリギリまで保育園で過ごした4歳児がこの時間疲れきってるのは当たり前で……。その上いつもなら貫太にとことん合わせてあげる母が夜勤で不在で、家事の苦手な父が食後の荒れたキッチンと格闘しているから、当然この小さな怪獣の相手は私しかいない。
“はぁー……”
心の中でついたはずのため息を敏感に察知して、今度は手当たり次第物を投げ始めた貫太を無理やり担ぎ上げてお風呂場に連れていく。叫び声と暴れまくる物音にはらはらしたけれど、幼いエネルギーがそろそろ限界に達することも経験上知っていた。
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