プロローグ

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同じ部活、同じクラスの“こころ”に好きな人を伝えた時、こころが 「あー、格好いいしモテるもんな」 と答えても、“やっぱり、格好いいしモテるやんな”と思ったし、学校のあちこちで女子達が 「“みつやくん”彼女おるらしい」 と噂をしていても、非常にショックを受けながらもう一つの気持ちで“彼女くらいいるやんな”と感じていた。 そのくらい、高校一年生の私には三津谷 輝(みつや てる)くんは輝いて見えたし、彼の姿が見える度、声が聴こえる度に胸がドキンドキンと高鳴っていた。 何処にいても、気持ちよく通る声が好き。 友達の輪の中で、コロコロ変わる表情や照れるように頭をかく仕草が好き。 それから、“ニコッ”って聴こえるくらい明るい、お日様みたいな笑顔。 遠い距離からいつも三津谷くんの存在を意識しながら私は、“あの笑顔にもう少しだけ近づきたい”と思っていた。
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