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「こころ。私今日委員会あるから部活先行っといて」 「は?委員会? 栞奈(かんな)委員会なんかしてたっけ?」 「うん」 「うそやん、何委員会?」 「……美化」 「びかー?」 “そんな日本語聞いたことない”みたいに、こころが歪んだ声を上げる。 委員会決めの後、“ちゃんと美化委員会になったことを伝えたはずやけど”と思いながら 「先輩にはちゃんと伝えてあるから」 と聞き流されないよう念押しで言うと、こころはもう委員会については興味がないようで、 「ちゃんと伝えても何かにつけていちいち文句つけてくるやんあの人達。“やる気あったら練習に遅れるわけない”とか言うて。自分らはいっつも遅れてくんのにさぁ」 と決して“頼りになる”とは言い難い女子バレー部の先輩達への不満に話題を移している。 こころと私の会話のほとんどは、こころ8割、私2割ぐらいで成り立っているから、話題と言ってもこころの独り言にしか聞こえないのだけれど。
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