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…… 委員会は30分もしない内に終わったはずの会議室に、5組の私達と三津谷くんの友達だけが残っていた。“会議の記録を作成する”という、意味があるのかないのか分からない雑用の為で……。違うクラスの美化委員に友達がいることに気づいた三津谷くんとその友達が、離れた席から大袈裟な口パクで会話し続け、短い会議中三回も先生から注意されたことでこうなってしまったと思うのだけれど。 「…先生が“レジュメ”に話したことメモしてくれてるし、そのまま写したら?」 お互いに罪を押し付け合う二人に、先生から預かった半ペラで数ヶ所に少しのメモが書かれている紙を差し出すと、二人が 「「“レジュメ”って何?」」 とハモった。 「……会議で話し合うことを簡単にまとめた書類、のこと」 「え、こんだけ?」「話し合ったこと、少な!」 揃って紙に目を移した三津谷くん達が呆れたように声を上げる。そして安心したように 「何やねん、焦ったわ」「こんだけやったら速攻終わる」 と言った後 「俺めっちゃ字汚ないから、お前書いて」「いやいや俺の字の方がマジで読めへんから。無理、輝書けよ」 と今度は誰が記録ノートを書くかで揉め始めたから私は、 「…私、書くよ」 と遠慮がちに提案した。
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