2018年の哉天兆

美里町ホームカミング 1

　駅前の駐輪場に停めた自転車に跨る。南に向かって走ると、陸橋がある。少しだけ高くなったその場所からは、広く、暗い影を落とす田んぼが見えた。少し前まではもっと暗かった。今は田んぼの真ん中に大きな建物ができたから、その辺りだけ点々と窓から漏れる光が見える。

　家に着くと、まだ誰も帰って来ていなかった。お母さんは多分まだおばあちゃんの家にいるだろうし、お父さんは仕事だ。私は鍵を開けて、玄関の電気をつけた。

　台所に行って冷蔵庫を開けると、お母さんが作ってくれた晩ごはんがあった。唐揚げと、味噌汁と、キャベツの千切りと、白いご飯。今日は調子が良かったんだ、と少しほっとした。

　晩ごはんを電子レンジで温め、カレンダーを眺めながら食べた。連休中に何をしようか考えた。