「樹医少年が待つからく」

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「樹医少年が待つからく」

今春を穿つ優しく夢に ただ行きてはその子が一人。 植物が好きな心も緑色であるやうな 樹医青年の話。 黄色い、花が咲く。それは向日葵だつた。 その、向日葵を触ってゐるのは 樹医青年こと、田暮(たくら)という 齢十七の男であった。 その青年は、本来は「植物」全体が 好きでいるもの、括り付けとして 樹医青年などと呼ばれているのだろう。 さて、此の青年は何をしているか。 それは二ヶ月前よりーー
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