妖精まがい

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誰もが目にする花達に、紛れるあの世の人でなし。 今回は無垢すぎる少女と、穢れすぎた幽霊?の そんなお話である。 七月の準猛暑日の最中、深い森の中を探検している 少女がいる。名は「ひな」という。 彼女は、祖母に許可を取って近くのこの森、 「アラバ森林場」に遊びにきていた。 確か、この森にはお化けがいるから 早めに帰りなさいよ、と祖母に 言われていたはずだが、聞いていなかったのか 忘れてしまったのか、ひなの頭にはそれがなかった。 「虫さんはどこにいるかなー? ニンニンゼミ(ミンミンゼミの間違い)、 ニンニンゼミー!」 残念ながら、ミンミンゼミは少女のいる地域には 存在しないので、見つけられることはない。 だが、代わりに何かが見つかったようだ。 「んんー?ちょうちょさがたおれてるー!」 少女は何かの花の上に倒れている ちょうちょを指差していた。 だが、少女の見ているちょうちょ、は ちょうちょとは似ても似つかないものだった。
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