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天罰です。
巫女の神聖な力を自分の欲望のままに使って課長を弄んだ悪女への天罰です。
もう覚悟を決めて謝罪しなくてはいけないですよね...。
土下座して顔を踏んづけてもらいながら謝るしか、ないですよね...。
床を見ながらそう覚悟を決めようとしたその刹那、課長が距離をグッと詰めてきました。
驚いて顔を上げると課長の手が私のマスクに伸びてくるではありませんか。
反射的に両手でマスクを押さえます。
「顔だけっ、頼むから」
「だめ、ですっ」
「じゃあおでこっ」
前髪に伸びてくる手を瞬時に払い除け、そのまま額の傷を隠すように手を置きました。
「何もしないっ。見るだけだ」
「だめですっ」
課長に両手首を掴まれマスクと前髪から引き離そうとされますが、必死に抵抗します。
しかし、男女の体力差など目に見えてます。課長なんて毎日筋肉を育てているんですから、私が抵抗したところで悪足掻きもいい所です。
結局呆気なく片手で両手首を取られお腹の前で固定するように掴まれてしまいました。
涙目になって課長を見上げると、眉を歪ませた苦しげな表情が、潤んだ視界に映りました。
「山瀬は...、幽子なんだろ...?」
ああ...。
やっぱり知られてしまったんですね...。
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