幽子と名付けた幽霊は...

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ーーーーー  最近調子が良い。  幽子と甘い満月の夜を過ごしたお陰だ。  時々、彼女が幽霊である事実が恨めしく、そんな彼女を好きになってしまった自分はやはり頭がイカれているんじゃと不安を覚えてしまう事もあるが、あの夜の一時を思い出せばすぐに気分は回復される。  ただただ満月を待ち遠しにする毎日だ。  そんなある日、いつも通り忙しく仕事に打ち込んでいると山瀬すみれが俺のデスク前に来た。  仕事の事で何か言いたいのだろうかと思ったが、どうも仕事以外の相談事あるとか。  意外だった。  こないだ急に殺人的な爽快感のある黒いガムをくれたのも驚いたが、山瀬が俺に相談事とは。  どうやら嫌われてないらしいのは嬉しいが、相談相手に俺を選ぶのは意外過ぎる。  それでも部下が困っているなら助けてあげるのが上司の務めだと思い第二会議室で聞くことにした。
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