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最終話
今夜は満月です。
すっかり寒くなりましたのでパジャマはモコモコ素材の暖かいものに変えました。
今夜も謙一郎さんとイチャイチャ楽しく過ごしますよぉ、とドキドキしながらベッドに横になりましたが、すぐには寝付けませんでした。
やっと幽体離脱ができた頃には12時を回ってました。
『謙一郎さぁんっ!今行きますからねーっ』
大慌てで夜空をぶっ飛ばしたのでした。
ジェット機のような勢いのままリビングに突っ込み、謙一郎さんのギリギリ手前で止まります。
突然だったので驚いた様子でしたが、すぐに私を溶かすような甘い笑みを浮かべてくださいました。
「今日はちょっと遅かったな」
『寝付けなかったんです...』
「そういう日もあるよな」
よしよし、と頭を撫でてくださるので照れてしまいます。(くどいようですが、感覚はないんですよ)
すると謙一郎さんの笑みがぎこちないものに変わりました。
『どうしたんですか?』
「いやさ...。さっきすみれのお母さんが来たんだよ」
『えっ!?お母さんが!?』
「娘の彼氏がどんな人なのか偵察しに来たんだと思う...」
そういえば、前に電話で住所をしつこく聞いてきたことがありましたね...。
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