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「うん?困ってる事があるのか?俺が…解決してやるから。」
「違う!今は、泣きたいから…泣いてるの雨で隠せるでしょ?」
「林檎??」
「ほっといてよ、うちのクラスにも来ないんだし…皆にちやほやされてたらいいじゃない。なんで私をいちいち構うのよ!」
私はつかまれていた腕を振り払った。
その勢いで、彼の頬に私の手が当たった。
「あ。」
「…。」
「平気だ、それより…手、痛くないか?」
彼は何度も濡れる髪から顔にかかる、雨の雫をぬぐいながらそっと私の手に触れた。
「林檎?ごめん、俺が教師で…何度もやめようと思ったけど傍にいたくて。」
「え?」
勢いよかった雨が、ゆっくりとあがり始めた。
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