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「もうすぐやみそうだけど…寒いだろ?こい。」
「車濡れちゃうよ?」
「は?」
彼はエンジンをかけると、暖房を入れてくれていた。
「いいから乗れ。」
腕をつかまれ、私は助手席に座った。
「タオル…たしか。」
彼が急に近づいてきたから、私は身構えてしまった。
「あ?ふう…まったく俺も嫌われたもんだな。」
後部座席に置かれていた鞄からタオルを取り出すと、私に渡してくれた。
「拭いてやろうかと思ったけど…嫌いだろ?」
「…夕輝、先生は?」
「あ?心配してくれてるのか?とか…辞めとく、送るからシートベルトつけて。」
「え?あ、はい。」
ふと彼の顔を見ると、笑顔は消えていた。
怒らせちゃった…んだよね?
これで、いいんだ。
どうなるわけでもない。
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