第三章[夕輝]

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あの日… 映画のような出会いをして、 夢のような時間を過ごした後。 また会おう って、約束をして別れた私達に待っていたのは現実だった。 あの日の翌日私は入学式で、 彼は新任教師として壇上で紹介されていて… 教室に行くと副担任だと紹介された。 そして会おうと約束した日、彼は来なかった。 約束をしたその日は、先生だって知った日だった。 けどそれでも…二人で見上げたあの空の心地い瞬間を大事にしたかったから、 約束をしたその場所に私はいた。 「約束の日、俺は…その行こうと思ったんだ。思ったんじゃなくて…あの場所に俺いたんだ。」 「急にどうしたの?」 「いいから…俺の話聞けよ。」 走り出そうとシフトレバーに手をかけていた彼だったけど、パーキングに入れるとエンジンをかけたまま車を停めなおした。 「はい。」
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