第四章[林檎]

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俺は翌日の入学式の準備で遅くまで残業だろうと思っていたが、 緊張から体調が悪くなり定時に車で帰宅している時だった。 彼女はあとでわかったことだったけど、 学校への通学の方法を確認でその場所に来ていた。 そして俺は、校門を見上げている林檎を見つけた。 急に降り出した雨で溜まっていた水たまりを、俺は跳ね上げ彼女は頭からずぶ濡れになっていた。 俺はすぐに車を停め、彼女に傘を差し駆け寄った。 「すみませんでした。」 「あ、いえ…ボォ―としていた私が悪いので、気にしていただかなくても。」 彼女は目をまん丸くして俺を見て、驚いていた。 「フフッ。」 優しく微笑んだ彼女が、とても綺麗だった。
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