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「彼女とか、とか?ま、いるよな…。」
排水口に髪の毛でも、落としておこうか!
なんて…こと思ったりもしたけど、
シャワーを浴びた後。
私はお風呂場を掃除して、
彼に替えの服と言われた服を着て、
乾燥機が終わるまで玄関を掃除したり、
キッチンの流しに置かれていた珈琲カップと小皿を洗ったりしていた。
「朝…パン食べたのかな?」
そんな勝手な妄想を働かせながら、乾燥機が終わるのをまった。
服なんてどうでもよかった、
彼と…もっと話したい!
その欲求の方が、強かった。
「うーん。」
家中ピカピカにしたい気もしたが…
私は乾燥機と、にらめっこしていた。
ピー。
と終った音と同時に私は扉を開け、乾いた服を取り出した。
すぐさま彼に借りていた服を脱ぐと、ほんのり温かい服にそでを通した。
「あーこれも洗濯しなきゃ。」
彼が替えの服と言って貸してくれた服は、すぐに洗濯機にいれた。
「え、っと…待てない。」
スイッチを押し、洗濯機が回りだしたのを確認すると
私は待たせている彼のもとへと急いだ。
駐車場に止めてあった車を覗いたが、彼の姿はなかった。
道路向かいに真っ白い壁のコインランドリーが目に入り、
私は彼に早く会いたくてかけて行った。
でも、お店に入る前に…。
少しでも大人にみられたくて、
飛び跳ね、はしゃぐ心を押さえる為に、私は一呼吸してゆっくりと店内に入った。
彼は背もたれもない小さな丸い椅子に腰かけ、
その長い足を組んで本を読んでいた。
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