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「洗濯機までお借りして、本当にありがとうございました。」
彼女は俺のことを良い人と感謝してくれたが、こうして過ごす時間が増えていくたび不純な動機だったことを必死に隠した。
「いえ。」
彼女は何の不安もないのか?
俺の横に座り、俺が持っていた本をまたのぞき込んでいた。
「なにを読もうとされてたんですか?」
「え?あ、置いてあったのを手に取ったんだけど…。」
「家…勝手に荒らされてないか?気になりましたよね?」
「あー違うんだ、違います。」
ところどころ…年齢は若いんだろうなと感じたけど、
俺はあえて聞かなかった。
「フフッ、夕輝さん面白い人ですね。」
「そう?」
「ええ、あ!おなかすきません?ご飯。」
「そうですね、食べましょう!林檎さんは何か食べたいものありますか?」
「あ!私…リンゴ嫌いなんです。」
「え?」
「ふっ…驚きますよね?」
「まったく食べれないんですか?」
「うーん、意地?好きだよねーって絶対聞かれますから。」
「言われなかったら、すいません…聞いてました。」
「ですよね?」
「あ、今日…誰かと待ち合わせとかじゃなかったんですか?」
彼女のことが、知りたくなった。
「私?ですか?」
彼女は困った顔を見せた。
「ええ、」
いる。
そう確信したが、彼女は満面の笑みを俺に見せてくれた。
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