最終章[潤う心]

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「誰が?嫌いって言った?」 「…さっきから、俺の事嫌いって。」 「ああ、みんなに笑顔振りまくから…。」 さっきまで泣いていた彼女は、頬を膨らませ俺をにらんでいた。 「ふうん、やっぱり…嫉妬してたんだな?」 「あ、その顔も嫌い。」 「は?」 「その、勝ち誇った顔!」 「この顔が好きなんだな?」 「ち、違うもん、」 ぷいっと顔を背けた彼女は、空を見上げて穏やかな表情を見せてくれていた。 「ね!夕輝さん…も見て!外!」 「ふっ、ああ…見てる。」 あの日見た同じ、いや…あの日よりも一段と暖かいオレンジ色の空だった。 「綺麗!」 「ああ、そうだな。」 空を見上げていた彼女を見つめ、彼女の言葉に同意した。
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