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「ふっ…。」
「もう、なんですか?戸締りして帰ればいいんですね?」
私は、片付け始めた。
壁に掛けられている時計は、夕方の5時をすでに回っていた。
「俺の事、嫌いだろ?」
「はい。」
「ふっ…。」
「あ、言わせたの先生ですからね?」
「家…遠いだろ?送るから。」
「は?大丈夫です。」
私はすぐに背を向けて、戸締りもして道具も片付けた。
「ふっ…。あ…。ま、そう言うなって…。」
座りかけていた夕輝先生は、カーテンを閉めていた私を見て座るのをやめていた。
「あと、下の階だけ、見てくればいいだけだから。な。」
何度も私の方を振り向きながら話していて、机に何度もつまづいていた。
「下駄箱C棟だよな!そこの前な。」
先生は廊下に出ると、また満面の笑みを私にむけてきた。
「え?ちょっと!私…まってませんからね!帰りますからね!」
世界中に聞こえるように私は大声を出した…あと、咳き込んだ。
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