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「あの…市営バスで帰るんで大丈夫ですよ。」
「フッ、俺も帰るんだついでだから。」
「いや、別に…申し訳ないからとかで言ってるわけじゃないんで。」
駆け寄ってくる先生に右手を上げて、あからさまに来るなって態度示したつもりだったんだけど…より一層笑顔だった。
「あの…。」
「フッ、」
「はあ…先生の事、嫌いです。」
「うん、知ってる。さっきも聞いたしな。」
「なんで笑顔なんですか?」
「うーん、澤井と話せてるからかな?」
「かなって?私、先生の事…嫌いだって言ったんですよ?」
私は、無造作に停められていた夕輝先生の車を横目に通り過ぎ歩き出した。
慌てて停めたんだなって…誰もが分かるそんな停め方だった。
「うん。」
「はあ…バスで帰りますから、先生のうちと私のうち逆方向ですよね?」
「うん。」
また笑顔…。
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