「伝令…」

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「伝令…」

伝令…僕を気にする人よ。彼の植物よ。 私には…願いを叶えられません。知りません。 君…に、伝わっているでしょうか? 私は…婚い星という名もあります。 貴方達は何故…僕を信ずるのでしょう? 何も…何も、願いを叶うる力はないのに。 色恋など…勉学など、将来については 勝手にやってください…努力のみで… 伝令…僕を崇める人よ。一度会った「人」よ。 私は…何もしておりません。 ただただ…ぐふぜん出来たこの体より、 陽(ひ)さまの光を返しているだけです。 俳句であっても…よまないで下さい。 私は…否生命体です。鏡です。 私の体で例の兎どもが…のんきに、 餅をついてたら…よかったのに。 伝令…僕を諦めがちな人よ。 僕のことを諦めないで下さい。 ただ…いたいだけなので… どふたひに…出来た傷を塞いで… 無機物は…やはり声を持たない。 だから私が…言いましたので… 青い星…その衛星…ほふきぼし… 彼らの声を…忘れないでください… 言っておきます… 忘れてくれるな…忘れてやるな… 忘れてしまうな…私たちの事を…
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