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めでたし、めでたし
数日後、魔法学校にて。
「おい、資料足りないぞ」
リオが挙手して、俺を呼ぶ。
「あ、今行きますぅ」
俺は教壇から、リオの座る席まで資料を届けに走った。
リオはそれを受け取ると、小声で「ありがとう」と囁く。俺は笑顔を返事とした。
「では、これから、魔王の生い立ちを解説します。まず、我の誕生ですが……」
教室内にいる全員に資料が行き届いたのを確認して、魔王が教鞭を振るう。教室の隅では、教授がニコニコとその様子を見守っていた。生徒たちは真面目に魔王の話にメモをとる。
――かくして、教授の熱意に負けた魔王は、人間に害を及ぼさないよう全ての魔物たちを無力化し、臨時講師として魔法学校に勤務したのだった。
リオは剣術の他に魔法も会得したいと、魔法学校に生徒として入学してきた。
リオの妹も、えっちなお姉さん魔物も、勇者たちも、きっとそれぞれの生活を平和に送っているだろう。
――世界を救った俺と教授の周りには、ハーレムの「ハ」の字も形成されることはなく、男だけが集まったのだった。
……なんでだ。
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