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「そうだ、それがいい。斉藤から話してくれたら、あの子もわかってくれるだろう。君たちは幼馴染だろう?」
「ただ家が近所ってだけですよ。特別仲良しなわけじゃないです」
ハルちゃんとわたしは幼稚園のころから互いを知っていた。ハルちゃんはわたしを友達だと思っているが、わたしは少し違う。
なよなよした妹のようなハルちゃんが正直わずらわしかった。何年たっても、わたしはハルちゃんのお姉ちゃんでいなければならない。周囲がそういう目で見てくる。たまらなく嫌だった。
「わかった。仲良しだからって理由じゃなくていい。この際、学級委員として斉藤に頼みたい。あの子の助けになってくれ」
「……はい」
「ありがとう。その言葉が聞きたかった。まだ新学期が始まったばかりなんだ。こんなことで問題を起こしたらたまったもんじゃない」
「先生も大変ですね」
「まったく。初めて担任になれた年に、こんな問題が起こるなんてな」
先生は他人事のように愚痴をはいた。
ああ、この人もそうなんだ。学校という組織に属してしまうと、ここまで人は変わってしまうのだろうか。
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