101【トラン独白】

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101【トラン独白】

いつからかって?最初からだよ! 最初から一度も俺はあいつを妹だと思ったことなんてねぇよ だって初めて会ったのは20歳だぜ? 最初はツンとして、愛想のねぇ女だなぁって思ったさ。 でも綺麗じゃん。 今までの俺には縁の無かった、お品のいいお嬢さんで、あれを屈服させたら最高に気持ちいいよなぁって思ったんだ。 母さんには直ぐそんな俺の考えは見抜かれたよ。 小さい頃から、好き放題やってたけど、あんまあの人に禁止される事なんてなかったんだ。あの人俺に興味なんてなかったし。でも伯爵夫人になってから、あの人の干渉が激しくなった アーシャの事も、オヤジ殿が死ぬまでは、妹なんだから手を出すなって言いながら、自分はアイツを鞭で打ったりしてたんだぜ? あれ?その話聞いてねぇの? あの人はさ、昔からずっとアリシアの母親を恨んでたんだ。 俺はよく知らないけど、その人のせいで母さんはオヤジ殿の子供を産んで育てる事になったって。 本当ならお前だけ本家にくれてやって、私は自由になるはずだったって小さい頃から酔うと口癖のようにいってたな。 でも奥さんの。あ、アーシャの母親ね。体調が良くなって、言い出せなくなったって。本当にオヤジ殿もアホだよなぁ。 俺を育てるなら生活は保証するって言われたから、仕方なくあの人は俺を育てたけど、本当は自由にしたかったんだと思うぜ。 奥さんが死んで、跡取りが死んで俺達がウェルシモンズ家に入ったのは本当に驚きだった。 母さんもそうだろうけど、あの人は酒場の看板娘から伯爵夫人なんて立派な肩書が付いたことは嬉しかったんだろうよ。 金も好きなだけ使えるし、奥様なんて言われて世話されてさ。 でも平民からの後妻でしかも妾上がりである事は貴族のお綺麗な奥様達には受け入れてもらえるわけないわなぁ あの女がいなければ、あの男が私に目をつけなければ、アーシャが産まれなければ オヤジ殿の留守中、そんな事を昼から飲みながらブツブツいってたな で、何がきっかけかわからねぇけど、むしゃくしゃすると、アーシャを捕まえて虐待してたなぁ ほとんど鞭打ちだと思う、あと冬に飯抜いて外に薄着で立たせてた事もあったけど、流石に死んじまうって使用人がこっそり助けてたけどな。 多分、アーシャって死んだ元奥さんに似てたんだよな。肖像しか見た事ねぇけどスゲエ綺麗な人だった。 だから余計母さんにとっては憎たらしかったんだと思う。 何も知らずにのうのうと伯爵家で育って、学まであって、母さんの代わりにオヤジ殿の外交も手伝って周りからは自慢の御令嬢だともてはやされてさ。しかも相愛の婚約者もいてもうすぐ結婚の話も出るだろうって言われてて。 片や俺らは平民から成り上がった卑しい親子だ。学もなければ品もねぇ。あの優秀なウェルシモンズ伯爵がどうかしたんじゃねぇかって専らの噂で、さしずめお祖母様、、オヤジ殿の母親ね。その直系男子至上主義に洗脳されてるんじないかって話まで聞こえて来る始末さ。 いや、しらねぇよ。お祖母様なんて会った事もねぇし。 俺はまぁ、仕方ねぇと思うけどな、だいたい住む世界が違いすぎたわけだし。俺は遊ぶ金があって自由ならそれでよかった。 でもカリカリし出した母さんの矛先はアーシャだけじゃなくて俺にも向いてきた。 伯爵教育を受けさせられてさ、遊びにも出してもらえねぇんだわ。女も抱けねぇし溜まってたところに、アイツが目についた あ?抱いてねぇよ、、奉仕させただけだ。 一応嫁入りが決まってるし、手は出すなって言われてたから。 今思えば、その頃俺達の浪費でうちの財政は傾いてた。どうするつもりだったのかしらねぇけど、アイツを使って母さんは何か企んでたのかもしれねぇな。 で、ある日突然オヤジ殿が事故で死んだ。 あれには驚いたね。 伯爵家は俺の物になった。 とりあえずすぐに母さんはアーシャとストラッドの息子との婚約破棄手続きを取ったな。 アイツだけ好きな男と一緒になって幸せになるのが許せないって感じだろうよ。 適当に弄んで使えなくなったら、金持ちの爺さんの後妻にでもするつもりだったんだろうよ。ついでに俺の玩具になってることで脅して、その家から金を流させるつもりだったのさ。 本当はオヤジ殿が死んで婚約破棄をした時にアイツを抱こうと思ったんだ。 だって綺麗じゃん。奉仕だけじゃあ我慢できねぇだろ?あの顔は今思い出すだけでもヤベェ。 屈辱に顔を歪めながらさ、それでも従順でよ。まぁ最後の方は人形みたいだったけどな。 あれを無理やり抱いたらどんなだろうって毎回我慢するの大変だったんだ。最後まで手を出さなかったおれ偉くない? まぁ金のためだったんだけどね。 それなのに、ある日アイツの叔母さん夫婦が訪ねてきたんだ。墓参りって言ってたけど、あれは多分何か感づいてた。 取り繕う暇なんてなかったよ。だって突然だったんだから、しかも侯爵夫妻だ追い返せねぇだろ? で、まんまとアーシャを連れ去られた。 あんな事になるなら抱いておけばよかったよ。 金にもならねぇって母さんは怒ってた。 でもこれが露見したら困るのは俺達だし、黙るしかねぇじゃん。 アーシャは叔母さんが修道院に入れるって言ってたから、もう手は届かないと思ってたよ。流石にね。 そしたら噂で王太子妃のお付きになったって言うじゃねぇか。 まだ俺にツキはあると思ったね。 だってそうだろ? 王太子妃のお付きが兄貴のを咥え込んでたなんて知られたくないだろ? 脅せばすぐに落ちると思ったんだ。なのにノードルフ卿の手回しか、すげぇガード硬いのなんのって、ついでに王太子の不興まで買って最悪。 とりあえず、アーシャの後見を取り戻そうと弁護士に相談したよ。裁判はしたくないだろうしな。でもそんな事してたらノードルフ卿とストラッドの三男、、、そうラングラード卿、アイツに先を越された。 ラングラード卿は、昔王宮の舞踏会で見たことがあったかな、まだ士官学校の学生だったんじゃねぇかな。 育ちが良さそうな生真面目な男って印象しかねぇけど。アーシャのタイプってあんなんなんだなぁって思ったくらい。 少し前の王太子の結婚式の舞踏会でも会ったけど相変わらず融通の効かなそうな生真面目なやつだって印象だった。今思うとその辺でもうアーシャと結婚しようとしてたんだろう? 舐めたマネしてくれたよな。 しかもアイツには捕まった時、脇腹蹴られて、頭まで踏まれたんだぜ?は?そんな記録ねぇ?冗談だろ?殺そうとしてたんだぜ?痣もある、見せるから、手枷外してくれよ! 必要ねぇって?冗談だろ? まぁ、いいや。で?何だっけ?あぁそうアーシャが結婚して、そんで俺もまぁ罰金払うために母さんが持ってきた縁談相手と結婚する羽目になったんだ。 まぁ嫁は好みじゃないけど、金の心配しなくて良くなるし、あっちは爵位目当てだしちょうどいいと思ったんだ。なのに奴らウチに入り込んできて伯爵家の運営もし始めた。 どうも母さんとはそういう約束で手を結んだらしいから、あの人は満足してるみたいだけど、俺は納得してねぇよ。 母さんはアーシャに手紙まで書いて、もう2度と関わらないって言ったらしいけどな。 まぁあの人にとってアーシャは金蔓以外の何でもないから、どうでもよくなったんだろうよ。 領地にいてもやる事のねぇ俺は、しばらく王都にいるつもりで、新しくできたラングラード邸と王太子宮を見張らせてたんだ。 だってアイツもう人妻だろ? ヤっても問題ねぇじゃん?もともと俺の玩具だぜ? どんな女抱いてもアイツほどの美人はそういねぇし、平民の女どもはみんな喜んで抱かれるからさ、ツマラねぇ。 旦那の夜勤の日があるだろうって最初思ってたのに、なかなかアイツが1人になる事がなくてさ、でたまたまあの日、王太子宮からアイツが馬車で出て、そしてラングラード邸に寄った。 そうだったら1人だろうって事で襲ったんだ。案の定一人でさ、簡単に拉致れたな。 なのにどうしてあんなすぐ見つかったんだ? ちっ、ミシェルのやつ、余計なことしやがって。 は?アイツは何もしらねぇよ。てかアイツは商会の手伝いで忙しくて、必要以上に口利かねえし。 なぁ今回俺ってどうなるの?は?なんで?アーシャは自分でやったんだぜ?いやいやいや誘拐って、アイツは妹だし、、、王家の馬車?たしかに襲ったのはそうだけど、中にはアーシャしかいない事が分かってたし は?反逆??ありえねーだろ!いや、まてまてなんで絞首刑なんだよ!意味わかんねぇよ!
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