act 1

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act 1

 ドーン!  キャー!  女子のかなきり声と、男子の光った、今光ったと騒ぐ声。ものすごい音に身をかがめてしまい、辺りを見回した。 誰も見てねえか、ほっとして教室のドアを開けた。  外は音を立て、ザーザーとものすごい雨。蒸し暑くて、シャツがべっとり肌にしがみついている。  放課後の誰もいない教室。  のはずだが…?  グルグルに巻き着いているカーテンがひとつ。  大きな柱の陰。  カーテンの下から見える足は……男子?  外はまた光った。それを追うように音が襲い掛かる。  ドーンドドドーン!  学校が揺れるほどのものすごい音。 「ヒーっ!」  聞こえた、この声は。  此の学年一番の優等生で、俺のクラスの学級委員、佐藤の声。  お高く留まっているというか、俺みたいな落ちこぼれとは違うあいつとはあんまり話したことさえない。  何事にも動じず淡々とこなす器用なやつに見えていた。  あの冷静沈着なあいつが?  そう思った時だった。  バリバリとガラスを揺らすほどのデカイ音と目が痛くなるほどの光に、俺も思わず、うぉっとという声が出てしまった。  ジャッと音を立て開いたカーテン。  そこには鼻の上を赤くして、なぜか半分曇っている眼鏡を指で押し上げた佐藤。  とっさに言葉が出なくて。  「かくれんぼ?」と聞いてしまった。
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