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髭の濃いジミーはとある港町で生まれた。 魚臭くておじさんの声がうるさいことしか特徴のない田舎町だったが1つだけここで暮らすメリットがあった。大学が、近い。 直通の電車でたったの30分。物価の安い田舎でそれは恵まれた幸運とも言えた。 その小さい大学では多くは学べないものの少なくとも面接を受ける履歴書に「大卒」と書くメリットがある。しかしそれさえ危ぶまれるほどジミーの成績は崖っぷちで、分かりやすく言うと「最悪」だった。 テリーの火遊びは父親譲りでジミーも大変パーティーが好きだった。どれくらい好きかって言うとパーティー会場で酔い潰れて寝泊まりするくらいには好きだった。一生懸命パーティーに通った結果大学の単位や訳の分からない授業に付いていけなくなり半ば開き直っていた。そして彼はパーティーを選んだ。 天真爛漫なジミーだがガールフレンドはたった一人しかいないのは周りを大変驚かせた。 彼女はアンナ。25歳で看護師をしてる。 黒髪が夜のように美しく肉付きの良い女性だった。ジミーはパーティー以外には熱心にアンナの元へ通い、馬鹿話を山のように聞かせてた。そこそこ見た目の良いジミーの話をアンナは大げさに笑ったりいじったりせず、芝生の生い茂る庭の白いベンチで微笑み「んー、ふ、」と答えるだけだった。 他のどの女性とも違う魅力に惚れたジミーはアンナに気に入られようと必死だった。 それを知ってか知らずかアンナはいつでもジミーを家に招いてやった。 そして百夜通いを果たしたジミーはご褒美に彼女のプライベートな部分に侵入することを許され、無事に恋は実った。励みの成果か一年後にはアンナのお腹は子宝で膨らんでいた。 大学を退学した(退学になった)ジミーはアンナの勤める病院近くのコンビニ定員となり家族を養うため真面目に働いていた。 一日の終わりの幸せは愛しいアンナが身ごもってくれた愛しい「四姉妹」に赤ちゃん言葉で話しかけること。アンナは毎晩笑いを堪えるのに必死だったという。 優しく、優しく、肌の向こうの子供を撫で自分のようなクソみたいな人生は歩ませないことを固く誓うジミー。パーティーの参加は全て断るようになった。
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