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第一話 多忙な副館長様
この世界には二つの種族が共存している。
人間と獣人。
二つの種族は長い戦争を終え、それぞれの国に別れつつも共存することを決めた。
これが二百年ほど前の話。
今でも偏見や差別はまあ、ありつつも上手くやっているような感じだ。
人間社会で働く獣人なんて極一部。逆もまた然り。
つまり、ニュースや新聞で会談などでの映像は見れても実際に会って話すことはほぼ出来ない。
たまに獣人との禁断の恋ーーみたいなドラマとかはあるけど。
そんな人間と獣人が唯一共に働く場所がある。
それが「人獣館」。
人間と獣人の差別、偏見がほぼない人獣館ではフワフワの耳や尻尾を持つ獣人と人間が一緒に仕事している。
そして、人間・獣人共通の人獣語が喋れて仕事さえ出来れば年齢も関係ない。
私、青東美琴(セイトウミコト)も高校生で第二館副館長を務めている。
さて、そんな私は自由過ぎる上司、第一館館長を探し回っていた。
「館長!どこ行ったんですか!?」
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