カナちゃんとピアノ

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それから何日待っても、何年経ってもカナちゃんがぼくを触ることはなかった。 弾く人がいなくなったぼくは、だんだん物置になっていった。 本や鉛筆や、書類がぼくの上にのせられるたびに、 「おまえはもういらない」 って言われているような気がした。 いつしかぼくの上には、粉雪みたいにほこりが積もっていた。 ぼくの心も、一緒に凍りついていくみたいに冷たくなっていった。 もう、ぼくを弾く人は誰もいない。 ぼくは静かに目を閉じて、長い長い眠りについた。
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