ルナ

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ルナ

「フフゥン、ポーッたら、こんなに期待に股間を膨らませちゃってイヤらしい子ねえェ」  小悪魔が妖しく微笑んで迫ってきた。手がボクの敏感な部分に伸びてきた。 「ちょっとルナさん。冗談が過ぎますよ」  ボクは必死になってガードして彼女の手を(こば)んだ。 「どうして。初めてがルナじゃ不服かしら」  ムッとした表情でボクを睨んだ。 「まさか、ルナさんのことは好きだけどボクたちは今夜、会ったばかりじゃないですか。いくらなんでも早すぎますよ」 「ふぅン、じゃいつになったらエッチして良いのよ?」 「え、それはいつッて、決まってませんけど。とにかく急がなくても、もっと時間をかけて愛し合ってからにしても」 「良いこと。愛なんて、どんなに時間をかけて二人で(はぐく)んでも、一瞬で壊れるのよ」 「それッてのことですか」 「そうよ。いくら愛してるって言っても欲望には叶わないの。ババァの色気には」 「そんなァ、ボクはその元カレとは違いますよ。どんなにお母さんに言い寄られても断ってみせます」 「ふぅン、口ではなんとでも言えるわ」 「そりゃァそうかもしれないけど」 「愛なんてしょせん幻想よ。ポーみたいなヴァージンボーイの夢見る(まぼろ)しなのよ」 「だけどボクは信じますよ。愛を!」 「えェ?」 「たとえ幻想だとしても」 「おめでたいわね。ポーは!」  ルナの艶やかな唇が間近まで接近した。  甘い吐息がボクの頬を撫でていった。 「そうかもしれませんね」 「ポーみたいなお人好しは騙されるわよ。ハニートラップで、悪い女にねえェ」 「かもしれないけど」 「けど、何よ?」 「騙すよりは騙される方がマシですから」 「フフ、やっぱ、お人好しのおバカさんね」
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