エッチのあとに……

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エッチのあとに……

「なんと言われても構いません。ルナさんは元カレに騙されて男性不審かもしれませんけどボクは絶対にルナさんを裏切りませんから」  心からそう誓った。 「マジで?」 「ハイ、ルナさんが好きです。ボクでは物足りないかもしれないけど決して裏切ったり、(そむ)いたりはしません」 「生意気ね。ポーのクセに」 「もう二度とアイドルを追っかけたりしませんから。ルナさんです」 「当たり前よ。アイドルだろうと他の女に色目を使ったら許さないわ」 「ハイ、ルナさんが高校を卒業するまで待ってますから、そうしたら」 「おバカさんね。卒業なんて待つことなんてないわよ」 「でも」 「さァ、さっそく暇つぶしにエッチしましょ」 「そんな暇つぶしッて」 「フッ、いつだって『エッチ』の後には『アイ』があるのよ」 「エッチの後にアイ?」 「そう、A、B、Cッて数えてみなさい」 「アルファベットを?」 「そうよ」 「ABCDEFG、、あッ!」 「フフゥン、わかったでしょ。には、があるのよ」  ルナは上から覆いかぶさるように口づけをしてきた。 「なるほどね」エッチのあとには(アイ)があった。洒落(エスプリ)のきいた会話だ。  柔らかな唇がボクのものに重なった。  はじめてのキスはレモンみたいに甘酸(あまず)っぱい味がした。彼女の噛んでいたガムの味だ。  こうしてボクとルナの『エッチから始まるラブストーリー』が幕を開けた。    THE END
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