第1章 ハジメテ

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第1章 ハジメテ

それは 突然の出来事だった 「理人~!」 学校から帰って来た私は、靴を脱ぎ、家の中に入った。 「帰ってる?理人?」 一つ下の弟の理人とは、違う高校に通っていた。 幼い頃から、いろんな話をして、一緒に泣いたり笑ったり。 姉弟と言うよりも、まるで親友みたいな関係だった。 「なに?由乃。」 だから年下だって言うのに、理人は私の事を名前で呼ぶ。 生意気に、二階の廊下から、顔を出した。 「今日、お父さんとお母さん、いないでしょ。買い物に行って来てよ。」 「なんで、俺が?」 「私は、洗濯物を片付けないといけないでしょ。」 そう言って私は、リビングに寄り、カバンをソファに投げ込むと、庭に干してある洗濯物に向かった。 「だったら、俺も手伝うよ。」 二階から理人が降りて来て、洗濯物を片付け始めた私の横に立った。
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