いただき

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言ってしまった この数秒の間に あたしの心臓は何回鳴ったのだろう 「ぶはっ」 向こうから聞こえてきたのは笑い声 てか、吹き出した? 「なんか神妙に言うから、何かと思ったら」 「え、えと…」 言ったくせに、どもるあたしも大概なのだが 「そんなのでよければ、全然いいよ」 そんなのて 全然て 「じゃあ、また明日会社で 美羽ちゃん」 電話が切れる ツーツーツー その音すら止まっても あたしはその場から動けなかった 空は 分厚い雲がいて灰色のまま
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