上り勾配

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バーガーを食べながら 「あとなんか欲しいものあったら頼んだおいでよ」 と武田さんが言う 「うーん、あたしは大丈夫です。武田さんは?」 チラリとレジの方を見るとどう見ても5組以上が待っていて、そんな列に並ぶ気は起きず、とりあえず聞き返す 「てか、武田さんって呼び方やめよーよ。なんか仕事みたいじゃん。」 「はあ」 「今ってどー見ても仕事じゃなくない?」 キャップのつばをもち、少しずらす武田さん たしかに仕事でそんなどこのメジャーリーグかわからないキャップは被らないですよね 「大ちゃんって呼んでよ」 「急に飛躍しすぎじゃないですか」 「えー、吉村さんみたいな可愛い子にそう呼ばれたいー」 「何言ってるんですか」 「1回だけ!言ってみて!」 目の前で7〜8歳、年の離れた男が手を合わせて頼んでくる なかなかありえない光景 ここ最近した男性との会話なんて、無視されるか、あしらわれるかだったから 余計に 「…仕方ないですねえ 大ちゃん」 絆されてしまうんだな
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