紫陽花
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夫が花を買ってきた。 青色の紫陽花。 君に似合うと思って、と寄越したそれは、正直私の趣味じゃない。いつもの独りよがりな贈り物。それでもきちんと受け取った。 ふと、横の姿見を一瞥する。 胸元には昼間あの人がくれた花がひとつ。 赤紫色の花。 良く似合うよと囁いた声が蘇る。 情愛の残滓が疼くのを感じながら、私は居間に入る夫に続いた。
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