✳︎✳︎

4/11

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
 そんな調子で学校で上手くいかなくて、少し落ち込みながら家に帰ってくると、玄関の扉を開けた先で待っているノエルが、「にゃあ」と一声鳴いて僕の足元にすり寄ってくる。  のんびりしたその鳴き声と、僕の顔をまっすぐに見上げるノエルの顔。  なに辛気臭(しんきくさ)(つら)してんだ。ほら、遊ぼうよ。  そんな風に言われている気がして、それまで凝り固まっていた肩からするすると力が抜けていくのが分かる。  僕はノエルの身体をひょいと持ち上げて、「ただいま」と呟きながら靴を脱いだ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加