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家の中だけじゃなくて、ノエルを連れてよく外にも出た。
公園のやわらかい砂場と、絨毯のように敷き詰められた枯れ葉がノエルは大好きで、よく上に乗ってはそこで飽きずに足踏みをした。僕が声をかけない限り、陽が落ちても続け兼ねない勢いだった。
すべり台とシーソーの間に生えている猫じゃらしの大群に自分からじゃれていったノエル。
僕がブランコに乗ると、ブランコを囲っている柵の傍らに座り、顔を大きく前後に揺らしていたノエル。ブランコの動きにつられているその様子が、本当に可笑しかった。
近所の庭先で飼われている大きなアヒルをフェンス越しに覗く度に、びくりと身体を震わせていたノエル。
駅前のアーケード商店街の中を抱っこして歩く時、立ち並ぶ様々な店の景色に目を丸くしていたノエル。
魚屋の前を通り過ぎる際は、必ずと言っていいほど大きく喉を鳴らしたノエル。
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