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 そうして時間は一ヶ月、二ヶ月と過ぎていき、季節も巡っていった。  受験、中学卒業、そして高校入学と、僕を取り巻く環境は段階的に大きく変わった。それを理由にはしたくなかったけれど、どうしてもノエルのことを考える日が自ずと減っていった。  決して忘れたわけじゃない。けれど、僕は自分のことで精一杯だった。もはや自分のことすらもままならない状態だった。今では無言で周囲に甘えて、現実から逃げ出しているのと同じだ。  今の僕をもしノエルが見ていたら、ノエルはどんな風に思うのだろうか。
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