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学校なんてもうどうだっていい。このまま辞めたって構わない。楽になりたい。いっそのこと死んでしまえたら。そんな風に何度も思った。
箱の中の首輪を、手のひらに乗せる。
今、とてつもなくノエルに会いたかった。
どうしようもなく苦しくて、淋しくて、この先に希望なんて何も持てなくて、孤独で。
けれど、すっかり冷えて固くなってしまったその気持ちは、ノエルの頭を一撫でするだけで、ほんの少しでも溶かされるのではないかと思った。
ノエルを腕の中に抱いた時の、ほんのりとした温かさを思い出す。
記憶の中では、今でも体温が灯っていた。変わることなく、血が通っていた。
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