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「私平和主義者なんだけど。喧嘩なんて嫌い」
「だったら日頃からもうちょっと態度を改めろ」
「学級委員長に対して偉そうなそっちの態度はどうなの?」
「偉そうなのはどっちだよ。たかが委員長ごときで権力振りかざそうとすんな」
「あんたこそさっきからずっと喧嘩腰じゃん。このせっまいクソ田舎で戦争なんて見苦しいと思わない?クソ田舎はクソ田舎らしく、のんびりとした平和を維持してればいいの。後藤くんもそう思うでしょ?」
二人の目まぐるしいやり取りを呆然と見守っていた僕は、ワンテンポ遅れて「…えっと、安藤です」とどうにか言葉を返した。
「学級委員長が名前間違えてどうすんだよ」
「うるさい、朝はまだ脳が覚醒してないの。とりあえずあんたはちょっと黙ってて」
その男子は呆れたように肩を竦めながら、身体の向きを前に戻した。
そして一方の女子のほう、もといこのクラスの学級委員長も、「じゃあ安藤くん、改めて」と姿勢を正して僕に向き直った。
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