1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
けれど、心がそんな状態なら、それが身体にも影響を及ぼすのは時間の問題だった。
教室に行くのが憂鬱で仕方なかった僕は、学校を休みがちになっていった。
そしていつしか、両親も、担任も、無理に僕から話を聞き出そうとするのをだんだん諦めていった。学校に行くことを強制もされなかった。
ただ、僕が自分の部屋のベッドの中でもぐらのように埋まっている時、両親が何度も学校に足を運んでいることは知っていた。
僕の知らない所で、僕のことが話し合われていた。そうして、僕の転校が決まった。
あの教室にもう行かなくて済むと思うと多少気が楽だったけれど、環境が変わっても、また別の教室で同じことが起こる可能性だって十分にあった。僕自身は、何にも変わっていないのだから。
最初のコメントを投稿しよう!