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なんのアドバイスをされるのだろうと思いながら慌てて運営スタッフが使う控え室へ向かった。
ドアを開けたけれど、控え室には誰もいない。
ここじゃなくて、関係者入口の通路で待っているのかもと思い直し、通路に戻るとが虹亜いた。
「え……?虹亜?」
「お姉ちゃん、話がしたいの。ちょっといい?」
「今はちょっと……。隈井先生に呼ばれていて」
「それを頼んだのは私なの。私が呼んだって言ったら、お姉ちゃんは来てくれないと思って」
虹亜はうつむき、沈んだ顔をしている。
もしかして、なにかあった?
まさか、両親は虹亜に厳しい練習をさせているとか?
虹亜は私に相談したいのかもしれない。
「わかったわ」
関係者以外立ち入り禁止の場所に虹亜は入って、スタッフが使う階段までやってきた。
二階席へ向かう階段がある場所で、緊急時は非常階段になる階段だった。
ひと気のない階段下までくると、虹亜は私ににっこり微笑んだ。
「ありがとう、お姉ちゃん。私を信じてくれて」
そう言うと階段下にあった倉庫のドアを開けた。
「え?」
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